【おれとお前のラブゲーム】最終話・ヤンキー道は桜色、人生色々

おれとお前のラブゲーム

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最終話・ヤンキー道は桜色、人生色々

「そんで、お前ら」
「結局そう言うことね、チェケラッチョ。キスをすうるたあびにい~♪」
「へへ……」

 

何か知らないが、ケンジと付き合うことになった。
これが釣り橋効果というやつか。

 

「あーあ。せっかくあゆむのために合コン設定したのに、意味なくなっちゃったわけね」
「ご、合コン? いだあ!」

 

てっぺいの言葉におれが身を乗り出すと、ケンジがおれの靴を踏みつけてきた。
ぎゅむぎゅむと、痛いんですけど……ついでに視線も痛いんですけど。ケンジは冷ややかな目でこっちを睨んでいる。

 

「あゆむ、ヤンキーたるもの女にうつつを抜かしてる場合じゃないぞ! ヤンキーはな、硬派に生きるもんさ。自分から出会いを求めちゃだめだ。女はいつだって向こうからくるものなのだから」
「なるほど、ケンジ! いいこと言うなあ!」
「ああ……あゆむは一生ケンジにマインドコントロールされて生きるのか……何て不憫な」
「きっとその方が利口に生きれるぜ。チェケラ」
「よし、あゆむ。オレがこの先お前を幸せにしてやるから、全部まかせてくれ。何かあったらまずはオレに相談してくれ。お前のトラブルはいつでも、頭の良いこのオレが最良の策で解決してやる」
「お、おうっ!」

 

ケンジがいつもの五割り増しでカッコよく見えてくるから不思議だ。何て頼もしいんだ。男の中の男とは、こういう奴のことを言うのかもしれない。ケンジの瞳の中に星が見えるのは幻か。

 

「あゆむ、カルト宗教とかひっかかりやすいかもね……」
「先が思いやられるぜいやっほーう」
「考えてみてよ。ケンジはあゆむの危機を三十分放置していたんだよ……逆に掻き回して美味しいとこ持ってくように仕掛けるんじゃ……」
「ケンジにとっちゃ、あゆむは動くおもちゃと変わらないのさ」
「あゆむ、オレたちの幸せを妬む外野がうるさいから、もう帰ろうぜ」

 

妬みや僻みは蹴散らしてゆこう、とケンジがおれの肩を引き寄せる。
そうだよな、これがうわさの共同作業というものだな。二人ならどんなことも乗り越えられるもんな。恋人って、何て心強いもんなんだ。

 

「今日、オレん家来るだろ?」
「え、う、うん……」
「よし、マツキヨ寄って帰ろう!」
「え、それって」
「二人で選ぼうぜ。スキンスキン。あ、それとも生が好みかな?」

 

生っつってもビールじゃないぜー。とケンジが笑っている。それを、後ろから着いて来ているてっぺいたちが引きつった笑いで「面白くない」とヤジを飛ばしてきた。

やだ、ドキドキしてきた。おれ、ケンジと結ばれるの?
ヤンキーを目指していたはずなのに、乙女チックな心境なのはなぜ?
世界は桃色? ヤンキー道は桜色? 人生色々?

 

 

【状況】

シャワー
ケンジ おれ   ドア(鍵ロック済み)

「あゆむ、さ、脱いで」
「い、いきなりかよ! 何か、こう、ムードとかないわけ?」
「あゆむは男の中の男を目指してるんだろ? なら潔く脱げ!」

 

理屈的には合ってると思うのだが、何だかしっくりこない。
しかし、どこがしっくりこないのかが分からないので、ケンジの言うとおりにする。
男らしく真っ裸になる。
補足だが、ケンジは風呂場でセックスするのが好きらしい。

 

「ベッドよか萌えるね。水攻めとか」
「何、水攻めって! おれ初めてなんだから優しくしてくれよ!」
「あゆむはほんとに可愛いなあ」

 

 

シャワ~ん

 

 

「ひあっ」

 

上からシャワーを浴びせられて目を閉じると、ケンジの唇が触れた。そのあとはケンジがおれの体を洗ってくれる。
素手で。

 

「ケンジ、スポンジとか使わないんでしょうか……」
「オレん家ではな、健やかなお肌のために全て素手で洗うことになっているのだよ」
「でも、そこにぶらさがってるスポンジは何?」
「それは、バスタブを洗う用だ」
「こっちの青いのは?」
「それはシャワーヘッドを洗う用」

 

石鹸をつけた手が、おれの体を撫で回してくる。

 

「はっ、やっ、けんじ……そこ、ばっか洗うなよ……」
「やっぱここなんだな、あゆむは。乳首も前も、固くなってる」

 

後ろから乳首をくにくにと巧みに洗われて、というか摘ままれて、早くもおれは腰砕け。
同時におれの性器をしごきだした。石鹸で滑りがついて、ぬちゃぬちゃとエロい音が響く。

あ、気持ち、い、かも……。
はふはふ、と犬みたいなため息が漏れた。
壁に手をついて、もう、ケンジにすべておまかせします、ポーズをとる。

 

「はじめてで、んな感じてんの? やっぱあゆむは淫乱だな。こないだ、乳首触られて感じてただろ。エロいな、あゆむは」
「お前がエロ、すぎんだよっ、あっ、もっと強く、早くできる?」
「要求がもう、ドエロだなー。オレが見込んだだけのことはある」

 

わけワカメでーい。
その合間に、尻に手が伸びて、ケンジの指がおれの中に入っていた。
あーん。もう気持ちよかったら何でもいいですう。ウエルカム!

 

入ったり出たり、出たり入ったり。
ケンジの指、こんにちは、さようなら。こんにちは、さようなら……。

 

「こんにちは、さよ……なら。こん、に……はっ、気持ちいっ……もっと奥まで」
「指じゃ届かないよ。何、こんにちはって。じゃ、そろそろ入れてい?」

 

ケンジのものが「こんにちは、おじゃまします」してきた。これは大物だ。こんにちは、だけじゃ済まないぞ。「こんにちはー今日はいいお天気ですねー」ぐらいは挨拶しておかなければ。

 

こんにちはー今日はいいお天気ですねー

パンっ

ほんと、いいお天気ですねえ

パンッ

週末も晴れるみたいですよー

パパンッ

それは嬉しいですねえ

パパパンッ

どこかお出かけされるんですか

パパンパッ

ええ、家族でディズニーランドにでもと

パパパパパ

 

 

「はふはふっ、けんじっ、マジ溶けそうっ、イイっ、」

 

指では届かなかった部分に触れると、また格別にイイ。
もうほんと溶けちゃいそう。はふはふしちゃう。目が開けられましぇーん。
その瞬間、水道管が破裂したみたいに一気に射精する。

 

 

プシー

 

 

「……ふう。お疲れした」
「え、まだ終わってないよ。あゆむ」
「出たから」
「オレまだイってないよ。そんな、一気に冷めた目しなくても」
「おれイったから」

 

 

シャワ~ん

 

 

「あー気持ち良かったー」
「あのな、セックスというものはだな、ギブアンドテイクでな」
「おれ英語わかんないやー。またねー、ケンジ!」
「あゆむ、友達に戻ろうか……」

 

おれのヤンキー道は桜色。これからは恋に愛に忙しい。はず。

 

【完】

 

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